
6月28日(土)に令和7年度環境講演会を開催しました。
講師は第57次南極地域観測隊に調理隊員として参加した渡貫淳子さんです。
極限の地・南極で1年以上にわたり観測隊員の食を支えた渡貫さんは、「皆さん、南極にどんなイメージを持ちますか」とやさしい口調で語り始めました。南極には昭和基地を始め多くの国や地域の観測基地があることや気候などの紹介から始まり、来場者を南極へいざないます。
昭和基地での調理は、食品の使い切りの工夫だけでなく、ごみを出さないための工夫に加え、南極の環境に悪影響を与えないため、排水に制約のある苦労などをお話いただきました。その体験から、私たちが生活の中で少し意識をするだけで、環境にやさしい暮らし方ができることも紹介いただきました。





第2部では環境省の村井辰太朗さんに国内の食品ロス削減の取り組みを紹介いただきました。講演会直前に公表された2023年度の食品ロス発生量は約464万トンで、前年度から約8万トン(約1.7%)減少しました。また、食品ロス削減の取り組みは脱炭素社会の実現につながることなど、事例を交えてお話いただきました。
東急ストアの片衛賢司さんは、身近なスーパーマーケットでの食品ロス削減をテーマにお話しいただきました。東急ストアでは原料を手配したときには捨てる部位を極力減らし加工すること、冷凍食品の扱いの拡大、店舗での需要を予測して在庫を減らす「需要予測システム」の導入、「てまえ取り」など店舗での啓発活動などを行っています。さまざまな取り組みにより、2024年の食品廃棄額は2019年に比べ、23%減と大幅に減っていることが紹介されました。
食品ロスを削減することは、食品を無駄にしないことだけに留まりません。食品の廃棄する過程で発生するCO²を削減することにもつながります。
講演会には100名を超える方にご来場いただきました。
皆さん、講師の話に聞き入り、「得るものが大だった」「少しの気配りや工夫で、エコ的生活に役立つのだと知った。今まではその反対をやっていたことも反省」などの声が寄せられました。